9/03/2017

SFグルメ:話題の斬新おまかせ寿司 Robin(ロビン)

ここ数年、アメリカの都市部ではかつてない勢いで高級寿司店が増えています。

大体それらの店はおまかせコースで、値段はおひとり様$100以内の比較的手頃な店から$500を超えるような超高級店まで。

お店のスタイルも日本から進出した本格的寿司店から、少々アメリカンなスタイルまで様々。

サンフランシスコにも次々とオープンしている高級寿司店、これまで数店行ってみました。(じゅうに)(ひなた)(くさかべ)(和香)(おまかせ)

お店によって、若干アメリカンな部分もありましたが、基本それらのお店は日本の寿司という印象でした。

ところが最近、従来の寿司店とは違う、より斬新なおまかせ寿司店も存在していることを耳にしました。早速、その話題のお店に行ってみました。

サンフランシスコのHayes Valley(ヘイズ バレー)地区にあるRobin(ロビン)という店。斬新な店ですから、もちろん店名に日本語を使っていません。

ローカル情報では、ヘイズバレーは人気店が増えてきて、フーディ注目の地区。

お店はGough Street沿い、以前にこの店の前を何度か通り過ぎたのですが、看板がないので気がつきませんでした。殺風景な入口。


入ってすぐレセプション


右奥がカウンター


店内入ってすぐ思いました、超ファンキー!

コンクリートの床と壁、カウンター越しの壁の配色やライティング、とても寿司屋とは思えません。トレンディなバーの雰囲気。

壁に掛かっているこれは何、アヒル?


思った通り、この店のオーナー・シェフは日本人ではありません、よく見かけるアジア系でもない。

そういえば、こんな記事(サンフランシスコで日本人の寿司シェフを求めるのは時代遅れ?)を書いてました。

いやはや、これこそ私の求めていた(?)サンフランシスコスタイルの寿司店。

私個人の意見としては、伝統的な和のスタイルは日本で求めればよいと思ってます。サンフランシスコではサンフランシスコ流、サンフランシスコ前の寿司がカッコイイ。

このテーブルセッティングなんか、箸が手前に置かれていません。取りにくいじゃん、とケチをつけたら、このディナーはもはや終わり、愉しむことはできません。


日本じゃないんだから、和の作法に従う必要なし。

ここは自由の国、しかもリベラル色が強いサンフランシスコなのですから、何事も受け入れる姿勢が大切。

ドリンクメニューは意外と普通。


ビール、日本酒、ワインがありますが、せっかくなので日本ものを注文。生ビールは1種類だけでした。

Hitachino Nest Red Rice Ale 常陸野ネストレッドライスエール $11


アメリカで常陸野ビールをよく見かけます。味がアメリカン好みなのか、マーケティング成功しているのか、どっちなのでしょう。日本では人気なの?

この店のおまかせ寿司コースは基本コース終了後、追加の寿司をサーバーと話しながら決めていくスタイル。

値段は$79~$179という幅があります。高いネタを追加注文すると値段が跳ね上がります。

一応メニューがあるので、見せてくれます。ぼったくりはなしよ。


ちなみに、多くの寿司店ではカウンターに座るのが通人と思われていますが、ここはカウンターでもテーブルでもほぼ一緒。

でも、カウンター席に座るとシェフの動きを見ることができるので面白いかも。

私の予約時間は6時だったので、テーブル席のみ可能でした。5時半の予約だったらカウンターも可能でしたが、ちょっと早いです。


コース開始(メニューの順番とサーバーの説明が一致していないので、ネタの一部は?)

シマアジ(ゆず胡椒、ポン酢、エクストラバージンオリーブオイル)?

スチールヘッドトラウト(熟成醤油、イエローピーチ、わさび)

ヒラメ(アップル、わさび、ライム)?


前菜なく、いきなり握りなのでびっくり。魚は普通ですが、いずれも少々変わった風味。

キンムツ(ストロベリー、コリアンダー花、フェンネル)


普通はこれが最初に出てくる前菜ではないかと。たぶん、これは刺身という解釈です。

A5ビーフタルタル(クリスピー海苔、ウニ、アジア梨、エシャロットのピクルス)


海苔と梨の風味が強すぎて、ビーフとウニ味が影に隠れてます。梨は要らない。

ヨモ(ウニ、サワーオレンジ、熟成醤油)

キングサーモン(トマトコンフィ、ホイップ豆腐、タイバジル)

本ハマチ(ゆず、ブラッドオレンジ、ホースラディッシュ醤油)?


オレンジ、トマト、タイバジル、、、使っている食材が想像の域を超えてます。

びんちょうまぐろ(スパイシーポン酢、セサミシード、マイクロチャイブ)


これは普通の前菜(この店では刺身)で美味。

赤身(ポブラノ醤油、わさび)

漬けめばち(シアード、チャードハーブサルサ)?

とろ(ポブラノ醤油、わさび)?


両端は普通の寿司、真ん中のソースは何とも言えないミステリアス味。

セサミヌードル(ブラックトリュフ、ジャパニーズチミチュリ)


寿司コースで、ヌードルが出ちゃうわけ?と思ったけど、これは美味!ジャパニーズチミチュリソースのレシピが欲しい。

キャビア(スモークド、ポテトチップス、グリルドランプアイオリ)


もちろん、キャビアは美味しいですが、下のポテトチップスはやっぱ要らないな。

温泉地鶏卵(出汁醤油、トラウトキャビア、舞茸、チャイブ)


日本の標準温泉卵よりも調理されていて、生卵が嫌いな私には丁度良い調理加減。出汁味も素晴らしく絶品。

A5 和牛(シアード、フォアグラ スノー、レモン醤油、わさび)


「フォアグラふりかけ」って、最近流行っているのでしょうか。他でも食べたような気がするのですが、フォアグラ好きではないので感動はない。

追加のむき帆立(ウニ、醤油、マイヤーレモン)

鯖(生姜、レモン、熟成醤油)


これは日本的で美味。

追加のねぎとろ手巻き(とろ、ねぎ)


これはイマイチ、醤油味がほとんど感じられない。醤油もらえば良かった。

途中で日本酒 富久長 純米吟醸 水月 $46


柔らかくて口当たりの良い日本酒。

甘さ控えめのデザート


以上でコース終了。

いずれも魚自体は新鮮で普通に良かったのですが、ソース(煮きり醤油ではなくソースと呼びます)が普通ではありません。なんとも言えない不思議な味の結集でした。

一番良かったのはセサミヌードルと温泉地鶏卵。寿司屋でその選択はどうかとも思うのですが、従来の寿司屋ではないので良しとします。

もちろん、握りも良かったのですが、やっぱり使っている食材の一部に違和感を感じざるを得ません。寿司はこうあるべきと伝統にこだわってはいませんが、思った以上の斬新さ。

長くアメリカ生活していても、日本生まれの日本育ちの私なので、そう感じてしまうのでしょう。これは致し方ないです。

ちなみに同行したアメリカ人夫の方が私よりも満足度は高かったです。おそらく彼の方が固定観念が少ないからでしょう。

ファンキーな雰囲気ですが、サービスはとても良かったです。ファンキー系のおにいさんとおねいさんがサービス担当していましたが、すこぶる感じ良くでプロフェショナル。

追加の3種類を含めて、おひとり様$96でしたので、値段はリーズナブル。夫はリピートしたいと言ってますが、私はリピートしてもいいかな程度。

店内それほど広くはなくて満席。食事中、何組も入ってきて去っていきました。予約は必須です。只今、ホットスポットのおまかせ寿司ロビン、食への探求心強い方向け。

日本の本格的寿司を求めている方、間違って行かないように。

Robin
620 Gough Street
San Francisco, CA 94102


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4 件のコメント:

  1. 寿司を、アレンジした、カルフォルニア料理??と言う感じでうsね。 フォアグラのふりかけがあるんですね。マグロの寿司にかかっていますが、味はどうですか? 伝統的な日本の寿司より、こう言うアレンジがアメリカ人には、好まれるのでしょうね。 値段は、リーゾナブルかな?

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    1. そうそう、寿司屋と考えると違和感ありますが、カリフォルニア料理と考えると納得できます。フォアグラのふりかけ(英語ではSnowを使ってますが)はまぐろのように見えますが和牛にかかっていましたので、まぐろよりは合うのかもしれません。ポテトチップスにキャビアが乗っている寿司はアメリカ人はたまらないようです。日本の寿司職人さんが卒倒しそうなものがこれからも登場してくるでしょうね。一般的なディナー値段としては高いですが、おまかせ寿司としてはリーズナブルです。人気次第で今後値段が上がる可能性があります。

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  2. ここも気になってた1店です
    さすが!
    しかし予想を超えるファンキーさですね。
    ポテトチップスのレビューがよかったのですが…
    組み合わせが面白いので、機会があれば行きたいと思います。

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    1. サンフランシスコらしいです。アイディアが日本人の発想とは違うので、面白いです。このタイプのお店が今後増えるかもしれませんね。

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